竹原信一市長

ブログで「辞めさせたい議員」の投票を呼びかけるなどして議論を呼んだ、
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長の行動が、また波紋を呼んでいる。
竹原信一市長が市のウェブサイトに、職員268人の給与明細を公開したのだ。

地方自治体が給与の平均額を公表するのは珍しくないが、
氏名を伏せているとはいえ、全職員の明細を公開するのは異例だ。
市役所関係者であれば、「どの欄が誰の給料か」と類推できる可能性も高いが、
竹原信一市長は「何も反響は来ていない」と話している。

竹原信一市長が公開したのは、2006～08年度の退職者の退職手当の一覧と、
07年度の職員の給与手当明細の一覧。

竹原信一市長は2月23日のブログで、給与明細一覧のファイルにリンクを張り、
「阿久根市の税収はわずか20億円。今後は景気の悪化で税収は更に減るだろう。
阿久根市の将来は先ず市役所の人件費を適正化できるかどうかにかっている」
と、人件費の切り下げを進めたい考えを改めて強調した。

実際、阿久根市の職員の給与は、比較的高い水準にある。
総務省の「地方公務員給与実態調査」によると、国家公務員の給与水準を
100とする「ラスパイレス指数」は、全国の地方公共団体平均で95.5。
それに対して、阿久根市の指数は99.1で、鹿児島県内に49ある市町村のうち上から3番目。

竹原信一市長は「給与の状況を知って、自分でも驚いたんです。
今回、それを見やすい形にして公開した、ということです。
市民へのサービスの一環です」と、経緯を明かす。

竹原信一市長をめぐっては、市議会で不信任案が可決されたことから、
市議会を解散、「出直し市議選」が控えている。
改選後の議会で竹原信一市長の不信任案が再び成立すると、
竹原信一市長は失職してしまう。